アカヤガラの繁殖特性を調べた論文が国際学術誌に掲載されました
アカヤガラは、日本各地で消費される食用魚で、最近は三陸の沿岸でも漁獲されるようになってきましたが、その生態には謎が多く、研究例もほとんどありませんでした。今回、国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産資源研究所および長崎県総合水産試験場との共同研究により、九州西方沖におけるアカヤガラの繁殖生態を詳細に調べた論文「Reproductive biology of the red cornetfish Fistularia petimba and its relation to fisheries off western Kyushu, southwestern Japan」が、日本水産学会発行の国際誌Fisheries Science に8月21日付でオンライン掲載されました。和文要旨は以下の通りです。
九州西方沖におけるアカヤガラの繁殖特性
下瀬環*・酒井猛・増渕隆仁・五味伸太郎・蛭子亮制
九州西方沖で漁獲されたアカヤガラ雌222個体(尾鰭伸長軟条を除く全長691–1783 mm)と雄120個体(714–1358 mm)を用い,生殖腺の観察から産卵期を推定した結果,産卵期は5–7月を盛期とする4–10月であると考えられた。雌は排卵後濾胞が消失するまでの数日間,卵巣腔に卵を保持すると考えられた。また,雌の生殖腺重量指数は産卵期に上昇したが,雄では周年低かった。雄における少量の精子と雌における数日間の卵保持は,何らかの独特な繁殖特性を暗示している。底曳網漁の休漁期は,本種の産卵盛期に重なっており,資源の維持に貢献している可能性がある。
*岩手大学 三陸水産研究センター 教授
論文はオープンアクセスですので、下記サイトから自由に閲覧可能です
https://link.springer.com/article/10.1007/s12562-026-02013-5
写真はアカヤガラ

